【東方小説】東方刻奇跡 6.5話「誤算」
少女は、幻想郷の美しい青空を眺めていた。
信仰は、足りなくなっていたようだ。
神奈子は何を思ったのか、早苗を奇跡、守矢、神様――これらなどのことをまだ学んでいない年齢までに退化・封印させた。
しかし、この計画を実行した際に誤算があった。
それは早苗の発動した奇跡の内容だった。
確かに、早苗は退化させる奇跡を放ち、人形により自分にそれを当てられた。
このときの早苗の奇跡は、「退化させるが、一定の期間を経てやがて元に戻る」というものだった。
それは早苗の優しさから無意識にそうなったのかもしれない。
年月が経つごとに封印が解かれていく。なくしていた記憶を地道に思い出していくのだった。
そして五年後。早苗に放たれた奇跡による封印は解かれた。
思い出した今なら言える。神奈子様と諏訪子様は私を助ける為にああしてくれたんだ。
少女の背後に向けて風が吹く。
全てを思い出した少女――早苗は、二人の神様を再び形取らせるために誓うのだった。
「きっと、消えていない。見えなくなってしまってるだけなんだ。神奈子様、諏訪子様――私は、二人を救う為なら、なんでもします!!」
風祝の少女は、もう一度楽園に足を踏み入れる――――――――
To be continued…
あとがき
ん?今なんでもするって言ったよね?
ええーと、今回のは二章へ繋ぐちょっとした話です。だから6.5なのです。
次からは早苗が信仰を取り戻すために奮闘する話になっていきます。
早苗の努力の末に待つものは果たして――?
続きます。