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毅然とし、それとなく。

気まぐれでありつつ適当に書き記す。

【東方小説】東方刻奇跡 1話「守矢一家、博麗神社に行く」

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――――――――光り輝け、守矢の奇跡。
            いつでも私の心の中に―――――――――






            第一章 日常






妖怪の山、守矢神社。いつものように信仰を集めているはず…なのだが、今日は何かがおかしい。
神奈子があわただしく早苗の部屋にやってきた。
「早苗!!!」
突然開いた戸に早苗は啜っていた茶を噴き出しかけるが、なんとか抑えた。
「…な、いきなりどうしたんですか神奈子様。あわてるなんてらしくないですよ」
冷静に早苗が喋るが、神奈子の次の言葉により様子は一変した。
「信仰が足りていないわ!」
早苗は手に持っていた湯のみを落とした。そして湯のみが床に着くころには、早苗は神奈子まで近寄って激しく肩をゆすっていた。
「な、なななななな!!なんですって!!?本当ですか神奈子様!?」
「ほ、本当よ!早苗こそ落ち着きなさい!」
早苗に揺らされながら神奈子は言ったのだが、やがて顔が青ざめてきた。
「ちょっ…早苗…ほんとに…やめ…おえっ」
「…?!神奈子様!?神奈子様!!神奈子様――!」

神奈子は、真っ白になっていた。

「神奈子様ごめんなさい…私が信仰を集められないばかりに…」
「いやどう考えても信仰関係ないよねそれ早苗が揺らしたからだよね」
廊下から突っ込む声が聞こえた。諏訪子だった。諏訪子は部屋に入ると壁によりかかって言った。
「離してやりなよ早苗。神奈子のやつ、リバースしかけてるよ」
「えっ!?あっ、はっ!?ご、ごめんなさい神奈子様!!」
早苗は正気に戻り、あわてて神奈子の肩から手を離すと、神奈子はぐったりと床に倒れこんだ。というか、眼がぐるぐる回っていた。ひとます落ち着きを取り返すことにし、早苗は落とした湯のみを片付けたり諏訪子と神奈子の分の茶を用意したりと色々した。その間も神奈子は息をしていなかった――余程激しく揺らされたらしい。
そうして事態は落ち着いて――丸いテーブルを三人で座って囲んだ状況となった。
「それで、どうして信仰が足りていないんですか?よくよく考えれば、山に棲む妖怪たちから信仰は得られているはずじゃないんですか?」
始めに早苗は二人の神に詰め寄ると、神奈子が頬杖を突きながら言った。
「なんだかよくわからないけど、最近神社に来る妖怪が減ってきてねぇ。そこまで問題じゃないんだけど、このまま減り続けるとさすがに危険なのよ」
「じゃ、じゃあ!お色気作戦で行きましょうよ!あざとい作戦で行けばきっと…!」
テーブルを強く叩いて立ち上がろうとした早苗を、諏訪子が止めた。
「待ちなよ早苗~そんなことしても効果ないよ~」
「そうよ早苗。神社は神聖な場所なの。そんなことをする気にはならないわね。第一、早苗そういうの駄目でしょ?」
神奈子も諏訪子に同調してそう言ったが、諏訪子はその神奈子の発言の矛盾点を突きつけた。
「神聖な場所~?お酒を平気で呑んでるくせによく言えたもんだねぇ?それに、早苗だけじゃなくあんたも駄目じゃないの。顔赤くして棒立ちになるくせに。ま、私は平気だけどね」
そう論破されて、神奈子の顔はたちまち赤くなった。
「うっ、うるさいわね!べ、別にいいじゃないの!」
二人のその姿を見て少し笑うと、早苗は同じ場所に座りなおした。
「それじゃあ、一体どうするんですか?このままじゃ霊夢さんに負け…霊夢さん?」
早苗はそこまで言ったところで、何か閃いたように顔をしかめた。
「?…どうしたんだい?早苗」
二人の視線が早苗に集中する。
「神奈子様、諏訪子様…博麗神社へ行ってみましょう」




一行は博麗神社へと向かった。そこには驚くべき状況があった。
なんと、妖怪だらけだったのだ。山に棲む妖怪も含まれる。
「これは…!何が起こっているの!?」
神奈子が声が荒げて言ったのとは逆に早苗は実に冷静だった。
「あー…やっぱり。あの時と同じだったか」(※東方茨歌仙参照)
「早苗?何が起こっているかわかるの?」
「あのですね、これはきっと霊夢さんが適当に妖怪でも退治してその妖怪がお詫びに信仰集めさせてあげますって言った感じだと思いますよ。恐らくは人望の強い妖怪だったのか…しかし、これほどの妖怪を動かすことができるとは…一体どれほどの」
「そんなわけないでしょ」
空中にスキマが開くと、賢者でもあり大妖怪でもある八雲紫が現れた。
「妖怪の間で変な噂が流れたみたいなのよ。『博麗の巫女に退治されると良い事が起こる』って。だから博麗神社に信仰が集まっているわけじゃないの」
地面へ着地しながら紫はそう告げた。
「良い事が起こるって…随分と単純なんですね?妖怪は」
早苗が皮肉めいたことを言うと、紫は面白おかしそうに笑った。
「否定できないわね。物好きな妖怪もたくさんいるものだから」
「そんなことより、霊夢さんは大丈夫なんですか?」
そう早苗が言った途端、草陰から人が現れた。ボロボロの霊夢だった。
霊夢さん!ボロボロじゃないですか!大丈夫ですか!?」
霊夢が倒れかけたので早苗が駆け寄って支えになった。確かに服や身体はボロボロだが、どうも問題はそこではないように見えた。呼吸を荒げて、霊夢は静かに喋った。
「な…なんだって…変な妖怪ばかり家に来るの…よ…」
ガクン、と霊夢は気絶した。


後に、目覚めた霊夢から話を聞いた。紫が言っていた通り、博麗の巫女に退治されると良い事が起こるという杞憂な噂を信じてやってきた妖怪たちが多数だったようだ。しかも何故か妙な性格をした妖怪ばかりで、殴れば殴るほど喜んだり、弾幕を当てれば当てるほどお礼を言ってきたりと、やっている内に気色悪くなってきたらしい。だから逃げてきたそうなのだ。
「そ、そうだったんですか…そんなことで参拝客を取られたと思うとなんだか複雑ですね…」
「そうよ…だから早苗、あんたもせいぜい気をつけておきなさい…」
霊夢のその言葉を聞いて一段落ついたところで、一行は守矢神社へと戻ってきた。
「ま、あっちのほうが時間が経てば元に戻るだろうね」
諏訪子が大きく伸びをしながら言った。
「そ、それはそうと早苗…」
神奈子が眼をそらしながら申し訳無さそうに頭を掻いている。
「あれだけ騒いでおいて申し訳ないんだけど…参拝客、普通に来てたみたい…だから、信仰は大丈夫みたいよ」
それを聞いた早苗は大きく眼を見開いた。そして次の瞬間、
「―――――なんですってぇええええええぇえええええええええええええええええぇえええええええ!?!?!??!?」
と、大きく仰天した。



To be continued…


あとがき
はい、久々の小説です。今回は一話完結のギャグストーリーで行こうと思います。ギャグセンス皆無なのに大丈夫なのか俺は。
ずっとギャグで行ければいいね!うん…いいね!
あとがきのネタがないので、これからは多分付けたり付けなかったりになると思います。
それではノシノシ

早く例大祭で予約した分届かないかなぁ!