毅然とし、それとなく。

気まぐれでありつつ適当に書き記す。

【東方小説】宵闇の狂気 7話「真実と憶測」

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「こいし!助太刀するぜ!!」
私、魔理沙がこいしの横に立った。
「…ありがとう」
二人が構えたところで『闇の手』が、二人に襲い掛かる。
「どれ、一発ぶち込んでみるか…『マスタースパーク』ッ!!」
私の持つミニ八卦炉から極太のレーザー放たれた。この魔法は、範囲・威力こそ強いが私単体のスピードが著しく落ちてしまう。そのためレーザーが避けられると厄介である。気休め程度になればいいが…。
レーザーは闇の手を難なく貫き、闇の手が両方ともかき消えた。
「やったぜ!効かなかったらどうしようかと思ってたが…」

********

魔理沙のほうは大丈夫そうね。でもいつまでも保つとは限らない。早くさとりが落ち着いてくれれば…。
すると、さとりが小さく呻いた。
「…ぅう…ん…」
それを聞いた紫は、落ち着いてさとりに質問した。
「やっと落ち着いたわね、さとり。いきなりで酷だと思うけど、何を見たのか答えてくれないかしら?」
さとりは、静かに話し始めた。

ルーミアの封印が微妙に解かれて『封印前の人格』が目覚めかけることにより力が高まり、反比例して『封印後の人格』が弱まっていること。そして、それと同時に幻想郷の人々の心の闇がルーミアに集まり、心の中が暴走している。封印が完全に解かれてしまえばその闇は露わにし、封印により溜まっていた闇の力も解放されてしまう。
その二つの力が合わされば、幻想郷が危険であること。
妖精や妖怪を人間に変える力も、新たな闇により得た力だった。
さとりの心を読む力により、これらのことはわかった。

「――――つまり、今まで見ていた『ルーミア』は、もう戻らないということよ」
さとりは、最後にそれだけ言うと一息ついた。
もう、戻らない―――
その言葉は、私の心に深く刺さった。別にルーミアに何か感情を抱いているわけではないが、何か、切なくなってしまう。あの時感じた狂気は、これを予想していたのだろうか。
すると、紫が突如そのことをわかっていたかのように喋りだした。
「―――やっぱり、そうだったのね」
紫…?何を言っているの。

********

私が秘めていた憶測―――。
「ありがとう、さとり。ほとんど、私の憶測どおりだったわ」
その言葉に霊夢が疑問の声をあげた。
「でも…あなたの憶測って…」
「あなたたちには話していないことよ」
それだけ言って、私は仕掛けておいた『術』を起動させた。するとここにいるルーミアを除いた全員が気絶した。
ルーミア』という存在の記憶を消す。幻想郷に住む全ての者から。
まずはここにいる者からだ。記憶が全て消えるまでに時間が掛かるが、その間にルーミアを消せばいい。
私はルーミアと戦闘を始めた。








To be continued

あとがき
さぁ、終盤ですね。一体どうなってくるのか。
最後まで頑張りますよ。
では、また今度。