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毅然とし、それとなく。

気まぐれでありつつ適当に書き記す。

【東方小説】東方刻奇跡 7話「信仰は儚き神の為に」

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 香霖堂。早苗が元に戻ってから一週間近く経った。早く信仰を集めなおさねばと焦っていたのだが、霖之助に諭されてひとまず一週間滞在していたのだった。
 五年経った間、魔理沙霖之助の間に子供が出来ていた。歳は三歳。名前は「霖太郎」らしい。この一週間の間、何故か霖太郎は早苗に触れるのを拒んだ。封印が解ける前までは普通に触れても平気だったのに、だ。何か霖太郎にとっては嫌な雰囲気でも持ち合わせていたのだろうか。わからないが、嫌っている様子ではなかったので特に気にしないことにした。
「…行くのか?早苗」
 真昼時、早苗は出かける準備をして外に出るつもりでいた。すると、後ろから霖太郎を抱きかかえた魔理沙が話しかけてきた。もちろん、出かけることは話しておいたし、ここを拠点に行動するつもりだった。恐らく魔理沙は心配なのだろう。二人の親同然の家族を失ったのだから、何か早まったことでもするのではないかと。
「大丈夫ですよ。信仰を集めに行くだけですから、また戻ってきます」
 それでも魔理沙はまだ心配そうにしていた。子供を産んで、ちょっとは乙女らしくなったんだなぁ――と思ったが、怒られそうな気がしたので口には出さなかった。すると、後ろから霖之助に話しかけられて、何か安心させるような言葉を発したらしく、魔理沙は落ち着いた。霖之助はこちらへ来ると、軽く微笑んだ。大丈夫だから、行ってらっしゃい、という意味だろうか。そこで早苗は、この一週間五年ぶりに幻想郷を見て思っていたことを言った。
「…変わりませんね。この幻想郷(せかい)は」
 いくら年月が経とうとも、いくら新しい物がやって来ても。この楽園は変わらなかった。ゆるい感じのこの幻想郷。変わっていなくて、安心した。
「うん、変わらない。変わってはいけないんだ。均衡を保っていないと、全てが崩れ去る」
 その霖之助の言葉に早苗は頷くと、軽い挨拶を三人にして外へ出た。
 まずは、どこへ向かおうか――







            第二章 紅の深淵に








 当てもなく歩いていたからか、いつの間にか空は暁に染まっていた。食料は一応貰ってきているが、野宿用の道具などは貰ってきていない。何故なら、安易に森の中などで休息を取れば妖怪に襲われる危険性が極めて高いからだ。さすがの早苗でも、寝ている間を襲われればひとたまりもない。
 灯りの奇跡を使えば夜でも行動しやすくなるが、あまり長く行動していては疲労が溜まるだけだ。見つけるなら早いところ見つけなければ――。と考えていると、人影が見えた。その姿を見ると、早苗は唖然とした。
「八雲、紫…!?」
 そう、大妖怪であり賢者である八雲紫が目の前に立っていた。
「何か用ですか?私は忙しいのですが」
 二人の神様ならここで、きっと八雲紫を煽る発言をするであっただろう…そんな姿をもう一度見る為にも、私はここで止まってはいられない――!
 そう再び心に誓っていると、黙っていた紫が口を開いた。
「…東風谷早苗、ね。悪いけどあなたには消えてもらうわ」
 ――――?!
 早苗は一歩下がり、臨戦態勢を取った。何を言っているんだ?私を消す?そんなバカな。
「…何が言いたいんですか。私が何をしたっていうんですか。勘違いでもしているんじゃないですか?」
「――勘違い、ね…そうだと言いのだけれど。あなたには知る必要はないの」
 そういうと、いきなり大量の弾幕を放ってきた。まずい!この量は下手をすれば死んでしまう!いや――それが「狙い」か!
 早苗はなんとか避けようと動いた。避けられるか!?――…一瞬、辺りは光りに包まれた。早苗は無傷だった。ギリギリのところで避けることが出来たようだ。それを見た紫が驚いて言った。
「まさか…もうそこまでだというの?!まずい…対策を練り直さなければ…」
 と意味深な発言を残してスキマの中へ移動して消えていった。一体なんだというのだ…。一息つくと、大きな館が遠くへ見えたので近くまで歩いていくと、そこは紅魔館だった。
 仕方あるまい――ここの主に頼んで信仰してもらえるかどうかはわからないが…やってみるか。早苗は紅魔館へ訪れていった。


――長く永い夜が始まる。今宵の月は、赤い――








To be continued…


あとがき
復活しました!!!
いや、結構前から復活してましたけど、挿絵描くかどうかで悩んでました!!!
これからはたまに入れていこうと思います!!!!!!!!!!
では!!!!!!!!!!!