毅然とし、それとなく。

気まぐれでありつつ適当に書き記す。

【東方小説】宵闇の狂気 another end集

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まず初見の人にはわけわかんないと思うので宵闇の狂気を一通り見てからにしましょう。

【重要】
鬱激しかったりちょっとグロかったりします。そのようなものが苦手な方はご遠慮ください。でも割と鬱じゃないendもあったりします。












その①
※前後の話は10話参照

ルーミア脳内。大妖精とチルノはそこに入った。
ルーミアちゃん、もう苦しまなくていいんだよ」
大妖精がそういうと、チルノが無邪気な笑顔でこう告げた。
「そうだよ!例えルーミアがあたいたちを食べても、三人一緒であることは変わらないわ!」
「だから――頑張ろう?もう一人の自分をやっつけよう?」
そう、二人が告げると、ルーミアは急激に苦しみ始めた。
「ゥウウゥウッ・・・・・・・アァアゥァッ・・・・・・・・・・クッアアァアアアアア・・・・!!!!!!!」
ルーミアちゃん!…そんな…間に合わな――」
大妖精が言うと、ルーミアから波動のようなものが広がった。それに二人は吹き飛ばされ―――かき消えた。
想いは―――届かなかった。

そんなことは知るよしもない霊夢は、ただ様子がおかしい目の前に立つルーミアを眺めることしか出来なかった。
すると、視界が急に暗くなっていった。
いつものルーミアの、能力…なの?
視界が暗くなると同時に、霊夢は気絶してしまった。

そして、魔理沙たちは―――。

なんで、私はここにいるのだろう?分からない。何が起こっているのか。
確か、霊夢と紫、さとり、こいしと一緒に来ていたはずだ…けれど、何故?
私は立ち上がって少し歩こうとするが、ふらついて近くの木に倒れこんだ。
ぐちょっ。
…?何か、踏んだのか?まあ、森の中だし、何があってもおかしくはないだろう…。
私は気にせず、歩き始めた。すぐそこに紫がいた。
「おい、紫…一体何が起こってるんだぜ?」
しかし、返答はない。
「紫」
もう一度、呼ぶ。
すると、やっと反応したようで、ゆっくり振り向いてこっちへ来た。何か、光り輝くものが見えた。
と、考えたころには、その輝くもの…刃物が、刺さっていた。―――私の腹に。
「―――!?なッ…何を…紫!!」
なんとか離れようともがく。しかし、それは紫の腕により抑えられた。
そこで、紫の表情と姿を、ようやく確認できた。が、それを見て私は言葉を失った。
全身傷だらけだった。でも、衝撃を受けたのはそこではない。紫の表情だ。
異常としか言いようがなかった。精神崩壊でも引き起こしたのか――その表情…笑みは、狂気とも、絶望とも取れた。
私が目を見開いて硬直していると、表情を変えぬまま、紫が喋り始めた。
「アハハ…もう、終わりよ。みんな、死んで、幻想郷は、ほうかい。フフフ…だから、あなたも、一緒に逝きましょう?」
目の前の存在は、既に『紫』ではなかった。口調がおかしい。その問いに、私の背中に悪寒は走った。
「そんな…さとりは!?こいしは!?…霊夢は!?どこに行ったんだよ!!」
「あの姉妹ならもう、隠された力が目覚めた『ルーミア』に取り込まれてしまったわ。あるいは、そのほうがまだ幸せだったかもしれない…あなたには――分からないでしょうけどねえ!!」
腹部に刺さった刃物が、更に深く刺さっていく。こいつの言っていることが分からない。ルーミアって誰だよ!?
「お前ッ…おかしいぜ!!最強の妖怪なんじゃないのか、お前は!?こんなことで諦めるなんて――」
「ククッアハハ…私でも力が足りなかったのよ。それほど、『ルーミア』は強大になっていた」
私の必死の言葉は、たった一言に遮られてしまった。すると、紫が付け足すようにまた告げた。
霊夢…れいむ…あなた、見なかったのかしら…?れいむのちかくに、たおれていたはずなのにね…」
「え…」
そんな馬鹿な。近くに霊夢の姿はなかったはずだ。見落としたのか…でも、そんなことは…。
そこまで考えて、頭に一つの考えがよぎった。
私は、さっき何を踏んだ?
呼吸が荒くなる。血の気が引いていく。視界が歪む。体中が、小刻みに震えだす。まさか…まさか。
ゆっくりと、今来た道を振り返る。
さっき私がよりかかった木を、よく見てみた。
そこには―――













れいむの、ぐちゃぐちゃになったしたいがあった。












大量の血が周囲の木々にこびりついている。限りなく強く、叩きつけられたようだ。四肢も、胴体も、――顔さえも、全てぐちゃぐちゃになって、もう、霊夢である証拠は何一つ残されていなかった。ただ一つ――霊夢が身に付けていた衣服以外は。
さっき、私が踏んだのは内臓だった。霊夢の、腸かもしれない。肝臓かもしれない。それを、私は配慮もせずに踏んでしまった。私が踏んだ内臓からは、血、肉が溢れ出ていた。
霊夢の惨死体のむごさと、霊夢が死んだことなど――色んなショックが私を襲い、私は静かに脱力した。
「これで分かったデショウ?わタしたチはもウ、死ヌシカナイノ」
脱力した私を見て何を思ったのかは分からないが、紫が追い打ちをかけるように囁いてきた。
すると、物音が聞こえた。
振り向くと、巨大な闇――禍々しい闇が、そこにあった。
なんだよ、これ――なんなんだ。これが、紫の言う『ルーミア』…?
初めて見る姿、初めて聞く名前だった。覚えがない。こんなものが幻想郷にあるなら、私はとっくの昔に気づいていてもおかしくはない、のに…。
その闇から、人の手の形をした闇が出現した――と思う頃にはそれが紫を襲い、大きく吹き飛ばした。腹部に刺さっていた刃物は、その衝撃で腹部から離れて、どこかへと飛んでいった。抑えていたものがなくなったことにより、私は仰向けに倒れた。
「アハハハハハハ!!!!!ッハッハハハハッハアアハハハハハッハアアアッハハハハ!!!」
私は痛みに耐えながら紫が飛んだ方向を見た。紫は吹き飛ばされてもなお、その狂気染みた笑いと表情をやめることはなかった。
そして、『闇』が追い打ちをかけると、それにより紫の首はもぎ取られた。『闇』は、静かに、だが力強くそれを握りつぶした。紫だった体は、地につくと、静かに倒れた。
「ああぁ…ああああぁああああああああ…!!!」
そんな声を出すことしか、もう私には出来なかった。『闇』が静かに、こっちを向いた。

気づいた頃には、私の腹部は貫かれていた。腰の辺りから、どくどく、という音と、灼熱感が襲ってきた。痛い。痛い痛い。痛い痛い痛い痛い痛い痛い。

下半身を無くし、もうそこに横たわるしか出来なかった。

視界の隅には、私の内臓が見えた。ああ、ないぞうって、こんなかたちだったんだなあ。

内臓がなくなったにも関わらず、私の意識はまだ鮮明だった。

私は、一つの希望を呟いた。
「…助けてくれ、香霖」
何度も、何度も呟く。
「助けて…助けてくれよ…お願いだから…」
そう。何度も。何度も。
「助けて…助けて…助けて助けて助けて…」
この時点で既に、私は私ではなくなっていた。紫と同じように、絶望して壊れてしまった。
その陰で、静かに『闇』が迫っていた。



another end①「想い、届かず」










その②
※前後の話は1話参照

様子のおかしいルーミアに、チルノが駆け寄る。
ルーミア?」
すると――狂気に等しい笑みをして、ルーミアがチルノに襲い掛かった。
チルノは致命傷を受ける――
そんなことはなかった。
「甘いわ」
チルノは難なくその攻撃を受け止めると、ルーミアの後ろ首に手をトン、とやった。ルーミアは気絶した。
「だ、大丈夫!?チルノちゃん!」
大妖精が駆け寄ると、チルノはルーミアを持ち上げた。
「大ちゃんの言うとおり、ルーミアなんかへんだね。取り除いちゃおう」
チルノが力を込めると、ルーミアから闇が出ては消えていった。
「これで大丈夫だと思うわ。さ、ルーミアは寝かせておいて、続き遊ぼう!」




another end②「チルノ最強説」




あとがき
別のanother endはネタ思いついたら書きます。鬱だったりそうじゃなかったりするけどね(´◔∀◔`)
次の更新はいつになるんでしょうかわからない
なんかあったら書きます。ではまた今度